キッチン、ムーンライト・シャドウ

吉本ばなな作。1987-88にかけての作品かな?

 

幼い頃に両親を失い、祖母まで失ったみかげが、祖母が可愛がっていた雄一の家に引き取られてから雄一と人生をともにすることを決意するまでを描いている。

 

キッチンは、みかげが好きな場所。孤独を癒やす場所である。台所の存在はみかげにとってこの世に一人ではないと感じ浅せてくれる場所→物語が進むに連れて田辺家→雄一にそれが移っていったと思う。

 

この作品のテーマはあとで作者自身が書いているように、

感受性の高さゆえに感じる孤独や辛さは、ほとんど耐え難い。しかし時が経てばそれはよどみなく過ぎていき、それはそんなに悪いことではない。ほんの少し考え方を変えれば感じやすいことをうまく利用して人は自分の人生を思い通りに生きていける

ということであろう。

 

むしろその意味ではムーンライト・シャドウのほうがそれが色濃くでてるかな。こっちはもっと時間の流れ(川にもつながる)を意識させる。

私は幸せになりたい。長い間、川底をさらい続ける苦労よりも、手にした一握りの砂金に心奪われる。

さいごに、何度も手を降ってくれてことに感謝しているけれど、これは等が、もういきなよと背中を押して先の未来に進ませてくれたことに感謝してるんだと気づいて感激。。。